以前TVで日本人とドイツ人のクォーターの娘たち(日本在住)がドイツに住むドイツ人の祖父母たちにコタツをプレゼントするという番組がやっていて、その祖父母たちが温かさに感動していました。日本より寒い国はもっとあるのに、コタツという文明の利器にたどり着くには正座といった床に座る文化が必須だったんでしょうね。そういった意味で中国から伝わった正座という文化には感謝の念しかありません。イランのコルシなど似たような暖房器具はあるのでひょっとしたら日本のオリジナルではないのかもしれませんが、まあ現代のわれわれにとってはそれはどうでも良いことです。
夏に引っ越してきたときは何の問題もなかったアパートですが、いよいよ冬を迎えるにあたって寒さが厳しくなってきました。ミニマリストというわけでも無いですが極貧生活をおくっているのでロクな暖房器具がなくロシアあたりだったらそのうち凍死しそうなレベル。そんな生活が続く中でようやくその文明の生んだ魔物が登場しました。自分で買うような余裕は無かったのですが旧来の親友が見るに見かねて自宅で余っているものを一つ持ってきてくれたのです。
大変ありがたい申し出で二つ返事で受け入れたのは良いのですが・・・これはもうこたつから出れる気がしません。買い物にも行かなくなるだろうし、今晩布団を敷く気もだいぶ失せてきました。いやほんとありがたいんだけど、ますますダメになっていく実感が恐ろしい。このコタツという道具は人間からコタツを出て何かをしようという気を無くさせる一種の催眠作用のものがあるようです。ひょっとしたら無機物にみえて人間に寄生する何かなのかもしれません。いや、寄生しているのは人間のほうでしょうか。コタツにとってそれが何の意味があるのかわかりませんが、とにかく人間にとってこれほどやる気を失わせる道具も珍しい。
ひょっとしたら人類はコタツを生み出したことによって文化や科学の発展が遅れているのかもしれないですね。
さて、ますますやる気を失ってきたことでこのままだと本当に生活できなくなってしまう危険性が高まってまいりました。
人生滅亡まで・・・あと288日。