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【映画】『チア☆ダン 〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜 実話モデルの超感動ストーリーでカタルシスを得る

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おススメ度★★★★★

 

  福井県に実在する県立の福井商業高校(劇中では福井中央高校)で創部3年目にしてポンコツ・チアダンス部が本場アメリカの全米大会で優勝した実話がモデルになっています。

 

  やはり実話ベースというのはそれだけで観客を納得させる材料を持っているわけです。なぜなら多くの映画が、「まあ作り話だし」「御都合主義すぎる」「んなわけないじゃん」などと簡単に切り捨てられるのに対し、細部はともかく毅然と『でも、真実なんですから』と反論できてしまうわけです。どんなに矛盾や不整合性を感じても事実は事実です。そして人生とは時として矛盾を含むものですが、観客は映画にリアリティを求めてしまう点に実話ベースの映画の強みがあるのでしょう。

 

 さて、ストーリーのゴールはタイトルでネタバレしていますから、そこに至るまでの細部が重要です。映画ではチームがバラバラになってから再びまとまっていく様子と、鬼コーチの指導がメインに描かれています。この人間ドラマが良く出来ていると思います。映画ですから脚色が入ってるであろう点は否めませんが、コーチの指導の部分はモデルとなった実在の五十嵐先生にかなり近いもののようです。そういった心を掴むストーリーと時折挟まるユーモアがよくマッチしているように思います。広瀬すず主演のJK映画というと『ちはやふる』を思い出しますが(新田真剣佑も出てますし)、あちらがわりとストレートなスポ根モノなのに対し、ややコメディタッチな部分があるのが、この作品のエンターテイメント度を上げているように感じました。『スイングガールズ』なんかもそうですが、日本の部活モノはやり過ぎない程度でのコメディが入ると極上のテイストになる気がします。

 

  やはりここまでは現役女子高生であった広瀬すず以上の適役はいなかったでしょう。もちろんルックスもありますが、あの年齢であの演技力ならいろんな監督が起用するのも納得です。ベストではないかもしれませんが、およそベターな選択でしょう。そして何より鬼コーチ役に天海祐希をもってきた事が大きいと思いました。さすがは伝説級の元宝塚トップなわけですが、今をときめく広瀬すずに面と向かって「ブスはブス」と言い放っても「お前が言うな」とはならない稀有な熟年女優です。ひょっとしたら唯一の正解だったのかもしれません。彼女の演技力は疑うまでもありませんが、やはりこの映画でも泣かされました。

 

  それにしても福井市というたかだか人口25万強の街から後に全米大会5連覇をするチームが生まれるという事実にただただ驚かされます。やはりリーダー、指導者の存在が集団にいかに重要なのかと気付かされます。それが特に感受性の高い若者なら尚更なのでしょうね。

 

  全てのリーダーは勿論のこと、あらゆる人におススメしたい、素晴らしい映画です。全然違う話ですが、そろそろハタチとなって女子高生役も今後はだんだんと違和感がでてくるであろう絶対女王・広瀬すずの後にくるのは誰なんでしょうね。

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