趣味全開で世界を巡る

オタクなおっさんがアニメ・ゲームにうつつを抜かしながら時間が空いたらカジノを中心に世界へと旅立つ。目標は月1海外旅行。

【小説】『人魚の眠る家』感想(ネタバレなし)

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おススメ度 ★★★

 不幸な事件に巻き込まれた幼き少女とその母親を中心としたお話。純粋な娯楽小説というよりは東野圭吾さんらしく社会に対する問題提起を小説というメディアに乗っかってされているといった印象。『脳死』と『臓器移植』といった事象に対する現代日本のスタンスの是非を問う作品です。あまり身近では無い人も多いのでそれほど大きく取り扱われる問題では無いと思いますが、たしかにこの作品を読むことによって今一度自身の倫理観を問いただされた気がします。ただこういったテーマの作品は往々にしてその主題に振り回されてしまって作品としての完成度を落とすイメージがあるのですが、そこはさすが東野さん。しっかりとした着地点で読後の清涼感もまずまず。娯楽大作とまではいきませんが、読みごたえはありました。
 もはや定番ともなった映画化では篠原涼子さんが母親役で主演されますがキャストとしてはとても良い気がしますね。とても演技力が必要な役柄だと思うので映画の出来自体はまだ何とも言えませんが。

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