彼と出会ったのは大学の時。同じ学年ではあったけれど、彼は高校卒業後に就職しその後に編入してきたという変わり種で年は３つ上だった。 年上風を吹かすでもなく、かといって卑屈になるでもなく全くそういうのに無頓着な彼とはすぐに意気投合しました。当時実家暮らしだった自分は大学まで遠かったので他人の家に転がり込む事が多かったのですが、彼の部屋もそのうちの一つ。時には彼がいないときに勝手に上がり込んでゲームをするなどやりたい放題だったのですが、そんな傍若無人な自分に対しても咎めの言葉を吐いた事は一切ありませんでした。逆の立場だったらちょっと耐えられないと思うのですが(笑)。そんな彼の徳のようものに気が付くのはもっとずっと年を取ってからです。
そんな彼とも最後に会ったのは20年近く前の彼の結婚式。当時仕事に忙殺されていた事もあってなかなか休日に会うという事もないままに時間は過ぎ、ずっと気になってはいたもののそのまま連絡を取る機会もありませんでした。
ですが、とある仕事先で偶然見かけたのが彼の名前。住所や３つ違いの年齢から言ってまず間違いありません。それまでは年に数回思い出す程度でしたが、この時はうれしくなって知人たちに連絡先を聞いて回りなんとか連絡が取れました。他人に自慢出来る事などほとんどない人生ですが、それでも彼のような友人を持った事は人生にとってとてもありがたい事だと思います。まだ再会には至ってませんがぜひこのGWにでも一献かわしたいですね。
