おススメ度★★
原作はヤングジャンプ連載の大人気漫画なわけですが、漫画原作の映画化というと黒歴史になるものがかなり多くあります。そんな中で昨年の興行成績では新海誠監督の『天気の子』には及ばないもののスター・ウォーズにはまずまず匹敵し、あの話題作の『ジョーカー』を超えるレベル。アニメを除く邦画としては1位でした。地上波でも放映されたので一度は観たという方も多いのではないでしょうか。
ストーリーとしては主人公・信が天下の大将軍を目指して第一歩となるべく後の始皇帝を助けて内乱を抑えるまでという原作でも序盤中の序盤です。はっきりいうとあんまり面白いとは言えない部分。とはいえまあここをすっ飛ばすことはできないから映画化したわけなんでしょうが、よくもまあこんなつまらない部分を2時間もかけてようまとめたなという感じ。超長いイントロダクションみたいな。個人的に『キングダム』の面白い部分は王騎将軍と羌瘣だと思っていますので前者がちょい役、後者に至っては登場しないとなれば、まあ面白くなくて当然といったところ。
それでも売れたのには理由があるはずですが、たしかに俳優さん達の演技は良かったと思います。漫画原作のヒロインとなるともう彼女しかいないというような域になってきた橋本環奈さん。河了貂の役柄に見事にフィットしていたように感じますが、他の作品のヒロインたちにしてもうまく役に入っている様子はなかなかどうして大したものだと思います。そして楊端和役の長澤まさみさんも原作の雰囲気をしっかりと出していました。美しく妖艶でありながら強いというキャラクターがしっかり出ていました。現実にはあんな細身ではあそこまで強くなれるはずありませんが、まあフィクションならアリです。太もも丸出しで戦う姿が何とも色っぽくておっさん的にたまらん(*´ω｀)。そして肝心の王騎将軍ですが、正直大沢たかおさんでは迫力不足だと最初は思っていました。やはり2m近い巨漢が演じてくれないとあの迫力は出ないようなと考えていましたがそんなのプロレスラーくらいしかいません。ただ単にコスプレするだけならそれでも良いのですが、演技も含めて考えるとやはり大沢さんで良かったのだと思います。矛をあの細腕で振り回すのはやや違和感がありますが、まあそこは仕方の無いところ。
総じて俳優さんたちの熱演が光っていました。そして邦画としてはそれなりにアクションも頑張っていましたが、正直どうしてここまで売れたのかはよくわからなかったりします。でも続編も決定していよいよ羌瘣が登場するというので期待したいと思います。
