趣味全開で世界を巡る

オタクなおっさんがアニメ・ゲームにうつつを抜かしながら時間が空いたらカジノを中心に世界へと旅立つ。目標は月1海外旅行。

【映画】『夜は短し歩けよ乙女』恋愛とファンタジーとの奇妙な融合が心地よく見事に映像化された作品 

f:id:haseger:20200722014242j:plain

おススメ度★★★★

 

 原作は森見登美彦氏のベストセラー小説でタイトルの元ネタは大正時代に流行った曲『ゴンドラの唄』の「命短し恋せよ乙女」から来てることはすぐに気が付くと思います。そして監督が最近では『映像研には手を出すな!』で脚光を浴びた湯浅政明氏とくれば、『四畳半神話大系』を思い出す方もいらっしゃると思いますし、作風もまったく同じですからキャラクターを見ればすぐにピンとくるでしょう。もし『四畳半神話大系』を未見の方であれば、そちらを先に観る事をおススメします。というのも原作者の出身大学である京都大学とおぼしき大学を中心として描かれる点は全く同じ。そしてその登場人物などがかなり被っているので、前作(?)を知っているとより楽しめます。

 

 湯浅監督と森見氏の作風というのはおそらく相性が良いのでしょう。その不思議な世界観がものの見事に描かれており、そのファンタジーテイストがとてもフィットしています。それにしてもヒロインの「黒髪の乙女」の名前が出てこないところが憎らしいですね。誰しもが自らの青春時代の片想いの象徴として思い描けるようになっているように思えます(男性目線ですが)。そこに花澤香菜さんという声優さんが実にうまくはまっている。新海誠監督の『言の葉の庭』でもそうでしたが、単発の映画でヒロインを演じさせた時に今の声優さんだと彼女がいちばん無難かつ安定なんでしょうかね。男性がかわいいと思える声を的確に体現している最右翼に思えます。