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【映画】『夜明け告げるルーのうた』2018年文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞受賞作!内気な少年と歌が大好きな人魚が出会う感動のファンタジー

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おススメ度★★★★

 

 世界的に権威あるフランスのアヌシー国際アニメーション映画祭にて長編部門最高賞であるクリスタル賞を受賞した作品です。かつて日本の監督で湯浅政明監督意外にこの受賞経験があるのは宮崎駿監督、高畑勲監督だけという非常にクリエイティブな才能のみが認めらるもの。日本でも2018年の文化庁メディア芸術祭アニメーション部門に『この世界の片隅に』と共に大賞に選ばれています。

 

 これまでにも数々の名作を生み出してきた湯浅監督の初のオリジナル作品という事で期待を集めました。しかし実際のところ興行的には大失敗の作品で、世間的な知名度が低く、私も恥ずかしながら最近まで名前を聞いたことがある程度で観た事がありませんでした。

 しかし批評家筋の評価の高さが示すようにその内容の素晴らしさは間違いなかったと思います。歌とダンスというのがこの映画の重要な表現の一つですが、これがアニメーションという手法に実にマッチしていて実写やCGとは異なる趣があります。劇中歌としても使われる斉藤和義さんの「歌うたいのバラッド」も物語に実にフィットしていてまるでこの映画の為に作られたかのような錯覚を覚えます。

 

 こんな素晴らしい作品が日の目をみなかったというのは非常に残念です。ヒロインのルーが『崖の上のポニョ』に似ているというのはちょっとデザイン的にパクリ感があってよくなかったのかも。あるいは脚本的にちょっとスッキリしない部分があるのが引っかかるのかも。

 それはそれとして完成度が高く芸術性豊かなこの作品、なにはともあれ一度は観ておくべき作品の一つだと思います。