(極力ネタバレのないように書いていますが、若干内容に触れる部分もありますのでご注意ください。)
おススメ度★★★★
クリストファー・ノーラン監督の出世作と言われる「メメント」も冒頭のシーンは時間を巻き戻す映像でしたし、だんだんと時間軸を遡っていく展開でした。そういう意味で彼の発想の原点にあるのが時の逆流なのかもしれません。「TENET」とは信条という意味がありますが、逆から呼んでも同じ綴りであることが別の意味を持っており、なかなか深いタイトルです。
主役の「名も無き男」を演じるのはアカデミー賞に名を連ねる名優デンゼル・ワシントンの息子ジョン・デヴィッド・ワシントン。お父さんはどちらかというとスマートな感じでしたが、なかなかガッツリした身体つきで最初親子とは全然わかりませんでした。これまで彼の出演作を観た記憶はありませんでしたが、役にはまる良い演技だったように思いました。
大筋は人類の破滅を阻止するために時間を逆行しながら戦うというものですが、その逆行する人間と順行する人間が同時に出現するというのはなかなか斬新で観るだけでとても面白いものでした。しかしながらその中身をきちんと理解しようとするとかなり難しく「え?どうなってんの???」と何度もなりました。俳優さんたちも脚本が難しかったと語っていますが、これを1発で理解できる人は相当頭が良いんではないでしょうか。
あのシーンのアレはなんだったのか、というような疑問の答えとしては以下の記事がとてもよく考察していてよかったと思います。くれぐれも一度観た後にご覧ください。