かつてヒッタイトにおいて鉄の精製法は秘中の秘とされていて門外不出でした。しかしいつしか鉄は彼らの専有物ではなくなり世界中に広まる事となりました。またT型フォードもいまや世界中で真似され日本もいわばそのパクリもんで潤っているわけです。つまるところ人類の歴史において他国の生み出した優れた発明を盗むのは、別に珍しい事でもなんでもなく当たり前の事でした。問題なのは発明や開発に手間暇かけた人間に支払われる対価なわけですが、これは漫画やアニメの海賊版なんかも同じ問題を抱えています。
おそらくどれだけ取り締まったところでその法の網の目をくぐりぬける方法が編み出されてイタチごっことなるのは目に見えています。そんな中理想に近いのはルネサンス期のパトロンのようなお金持ちが援助する仕組みではないかなと思います。技術者や芸術家の生活や活動に必要な費用はすべて負担してあげるというやり方は自由国家では難しいですが、社会主義国家ならできるのかもしれません。あるいは独裁国家か。
いずれにせよ直接的な方法では何の解決も生み出さない問題なので国家が絡むと余計に難しいですね。泥棒国家みたいなのが出てきてしまうのはどうしようもないのかもしれませんが、ジェネリック医薬品のような存在だと思えば我慢できるのかも。