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【映画】『竜とそばかすの姫』細田映画の集大成の良かった点と悪かった点(ネタバレなし)

おススメ度:★★★

 

 早くも地上波登場ということで観ようと思った方も多かったと思いますが、残念ながら安倍首相暗殺事件の影響で延期となってしまいました。

 

 細田監督の最新作ですが、世間ではそれほど話題にならなかったように感じます。これは宮崎駿監督にも言える事だと思いますが、若い頃の作品がベストで、以後はその遺産で食べている状態なんではないでしょうか。宮崎駿監督のベストは今でもラピュタだと思いますし、何度観ても終盤はワクワクしてしまいます。カリオストロもナウシカもいい。細田監督に置き換えてみると時をかける少女やサマー・ウォーズは同じく何度観てもいい作品。ところがそのあとなるとパワーダウンが否めません。

 最新作の「竜とそばかすの姫」はやはり細田監督の限界なのか、それとも新境地を開拓したのか。

 

<良かった点>

①美しい映像

 これはもう、これまでの作品もそうですが背景や風景の描写がとても美しい。これは最近の新海誠監督の作品にも当てはまりますが、力の入りっぷり、こだわりっぷりがスゴイ。

 

②世界観

 仮想空間「U」という設定が実にアニメ向き。アニメならではの表現が盛りだくさんで楽しめます。

 

③青春ストーリー

 時かけもサマーウォーズも高校生の恋心が重要なポイントになっています。この作品もメインテーマではありませんが、そのあたりの描写が実にいい。

 

 

<悪かった点>

①ストーリーの説得力

 ヒロインはわかるんですが、竜の方にはちょっと説得力が欠ける気も。ヒロインの行動原理にいまひとつ共感ができない点がありました。

 

②楽曲の説得力

 そばかすの姫が歌う曲はこれまで無かった斬新かつ誰もが心を打たれる曲という設定になっています。となるとそれを実際に聴かされた際に視聴者が同様の感想を持たない限り、設定に疑問符がついてしまいます。このあたり漫画や小説ではごまかしが聞くのですが、映画となると音楽もホンモノでなくてはなりません。決して悪くはないと思いますが、世界中のあらゆるミュージシャンを凌駕するものかと言われると残念ながらそうではなかったというのが、この映画最大の失敗の原因ではないでしょうか。

 

③既視感

 もう一つの敗北要因はこの既視感ではないでしょうか。そもそも仮想空間と聞いてサマーウォーズのOZを思い出す人は多いでしょう。たしかにあの作品は素晴らしかったですから、そのアイデアを用いたくなる気もわからなくはないですがそのあたりに新しいアイデアを出せなかった限界も感じてしまいますし新たな驚きのようなものはありませんでした。

 

 総じて残念ながら細田監督の限界を見てしまったような気もしますが、初見であれば十分に面白い作品なのではないかと思います。

 

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