ボードゲームというのは大昔から存在していて、大英博物館に所蔵されるウル王朝のゲーム(かどうかは定かではないですけどね)なんかもあります。すごろくなんかも相当古いですね。数多くあるゲームの中で秀逸なゲームとはいったいなんなのかを考えてみました。
古来から人間の間で楽しまれてきたボードゲームですが戦後にその花を咲かせます。しかしファミコンに始まるTVゲームの流行により一時その姿を消しますが、ここにきてまたアイデアの素晴らしい秀逸なゲームが数多く現れるようになりました。その中でもやはり良くできていると思えるものと二度とプレイしたくないと思うものがあります。すべてのゲームをプレイしたわけではありませんが、その違いを考えてみました。
まずゲームのタイプを分類すると大きく3つに分かれます。
1.対戦型
多くのゲームがこのタイプで他者と優劣と競いあいます。有名どころでは『カタン』や『モノポリー』などでしょう。他にも『コードネーム』など1対1のものもこの部類に含まれます。
2.ソロプレイ型
基本的に他者と関わる事は無く自分の得点を増やしていくタイプ。『ドミニオン』などがそうでしょう。あまり数は多くありません。
3.協力型
プレイヤー全員が味方のゲームです。『パンデミック』などが思いつきますが、これもあまり多くはありません。
結局のところほとんどのゲームが対戦型になるわけですが、ソロプレイ型や協力型というのはそもそも他者と対戦するというゲームの根幹が崩れておりゲームとして成立させるのがかなり難しく思います。まずこの2つの分類に関して言うとソロプレイ型は他者に対する干渉が少ない為、戦略や駆け引きというものが介在するにせよおのずとランダム要素で決まる点が多くなってしまい深みに欠けます。また協力型に至ってはロールプレイングゲームと何ら変わる事が無く、おそらくジャンルがすでに異なるように思います。
ですからここで考えるべきは対戦型のゲームで面白いものとは何かを考えてみます。
①全員への干渉力
『世界の七不思議』というドラフトを使った大変ユニークかつ面白いゲームがあるのですが、このゲームの難点は基本的に両隣のプレイヤーとの争いしか起こらない点にあります。ドラフトそのものも隣の影響が大きいですが、戦争を重ねるのかなど隣国同士でつぶし合うと対面が有利になります。つまり上手い人間が勝つというよりも下手な人間同士の対面が勝つという構図なわけです。この手のゲームはスキルを磨くことよりも両隣に知性ある人間がくることの方が重要で、ゲームのデザインとしては一歩劣るように思います。
このあたりはボードゲームに多く見られる領土型のものもそうで、隣に狂人がいるとそれだけで勝つことは至難の技になってしまいます。ゆえに全員で協力してトップに対抗できる要素が無いとゲームとしては不完全なのではないでしょうか。
②特定プレイヤーへの影響度
①で挙げた他者への影響を与えられるゲームだとある一人のプレイヤーを勝たせないために極端な戦術をとる事が大抵のゲームで可能です。これができるゲームはある程度のバランスは保たれるわけですが、ゲーム外の人間関係などが持ち込まれたりすることも多く、必要以上に干渉することがデメリットにならない限り単なるいじめゲームとなってしまう欠点を持っています。その点『ゴキブリポーカー』などは良くできていて、徹底的にマークされてもそれを跳ね返すことで勝利する事が可能となっている秀逸なゲームだと思います。
③プレイアビリティ
『タイタンの戦い』というゲームがあり、ランダムの要素が大きいものの他者への影響力やバランスなどとても良くできていたと思います。しかし、プレイヤー同士の戦いが始まると他のプレイヤーの待ち時間が圧倒的に長くなるため、よっぽど暇人の集まりで無いと耐えられない点、また脱落者が出ていくと時間を持て余す点など課題は大きくありました。
④ゲームの脱落
先述の『タイタンの戦い』もそうですが、途中で敗者が出るシステムはゲームを抜けてしまい時間を持て余してしまうのであまり望ましいものではありません。中には短い時間だから我慢できる類のものもありますが、やはり望ましいスタイルではないでしょう。
そう考えると、これらの弱点をクリアして遊べるゲームというのはあまり多くは無い事に気が付きます。②であげた『ゴキブリポーカー』などはその稀有な例の一つでしょう。他に思いつくのは『アヴァロン』です。人狼系のゲームなわけですが、数多くの欠点をかかえる人狼の欠点を克服しており、およそ完璧に近いように思います。『コードネーム』もまたその一つでしょう。『フンタ』も脱落が無い点など良い線いっているように思います。