おススメ度 ★★★★
新海誠監督の名を一躍有名にした『君の名は。』から早くも3年が経ちました。ようやく待望の新作となったわけですが、これまでの常識では考えられない試写会0など情報統制(?)のせいか前作のような盛り上がり方はしていませんでした。しかしながら興収10億でヒットと呼ばれる中で公開2週間ですでに40億を突破しているメガヒットとなっています。まあこれは前作の知名度から考えればある意味普通なので、今作品の出来栄えとは必ずしも一致するわけではありません。
ではこの作品の良い点はというと、
①雨、水の描写
新海誠監督のアニメの特徴の一つである水の表現の美しさがこれでもかと発揮されています。「言の葉の庭」も大変美しい作品でしたが、今作はおそらく時間もお金もかかっていてこれまで見た事のないレベルでの表現がされていますから、純粋にアニメーションの技術や美術としての素晴らしさに感動できるのではないかと思います。
②王道のボーイミーツガール
王道のストーリーが受けるというのは昔から普遍の原理なわけです。森嶋穂高と天野陽菜という少年少女が出会い、お互いを理解し合い、そして惹かれていく展開は十分に観客を魅了します。
③音楽、声優
「君の名は。」でもRADWIMPの楽曲は素晴らしかったわけですが、引き続き担当する彼らの歌声がこれまた映画とマッチして、また実にいいタイミングで使われています。良い映画に良い音楽はつきものですが、今回もとても良かったと思います。また小栗旬や本田翼といったいわゆるアニメ層以外への訴求としていわば客寄せパンダ的な部分もある俳優たちの演技も十分だったと思います。逆にいわゆる声優ヲタクに対しては花澤香菜と佐倉綾音という人気どころをもってきてさらに役どころのネーミングで遊び心を発揮してたりもします。まああざといといえばあざといですが、役者で客を呼ぶというのはこれまた大昔からの伝統なので当たり前でしょう。
他にも「君の名は。」ファンへのサプライズ的な展開もあって好きな方なら思わず(・∀・)ニヤニヤしてしまうんではないでしょうか。
とにかくあの「君の名は。」のあとに作られた作品として十分なクオリティが発揮されています。